1、オーディオの趣味

5)オーディオ実験室
a-4、番外編
 アナログディスク再生の難しさは、高S/Nを獲得するのは当然ですが、カートリッジを含めて再生時の周波数特性の管理が難しく、定量的な確認の方法が無い事だと思います。結局、測定器は耳だけと云う事になり、皆さん悶々とする事が多いと思いますが、低域周波数でのトーンアーム、カートリッジの共振による周波数特性の変動、付帯音の付加は再生音質にダンピング不足で締まりの無い音になったり、なかなか管理するのが難しい物の一つです。亦、高域周波数でのカートリッジの機械共振によるピークは「サ行」が強調されたりします。之等は調整すると云っても、普通のユーザーにはカートリッジの針圧を変えてみるか、トーンコントロールで高域を落とす位しか手が無いですが、之も弄り過ぎると別の問題が生じてきて、なかなかトレードオフが難しくて悩む処です。元々のディスクに刻まれた音が判りませんので結局自分の考える良い音を求めて右往左往する訳ですが、最近古いアナログディスクのマスターテープから復刻したCDが有りますので之等も参考になるかも知れません。唯、CDを復刻する時にリマスタリングで音質が変わっている物も多いので注意が必要です。
 リマスタリングCDに就いて、確かにアナログディスクのカッティングに於ける低域での性能限界を修正して本来のマスターテープの音質に戻すのは意味があると思いますが、最近のリマスタリングでは音楽の嗜好の時代的傾向を先取り(?)した物が多く本来のアーカイブとしての価値を損なっていると思う物が多々有る様に思います。之も暫くして時が経ってみないと評価が定まらないのかも知れませんが、、。
 まあ、アナログディスクを聴くのはなかなか大変で、プチプチパチパチとスクラッチノイズも音楽に浸る気分をスポイルします。三十数年前に仕事でアナログインパルスノイズサプレッサー成る物の開発をした事がありますが、MMカートリッジとMCカートリッジでノイズの出方が違う、ノイズの周波数成分が違う等、苦労をさせられましたが、今にして思えば信号に関する本質的な勉強をする事が出来た様に思っています。
 何れにしても良いと言われる音楽を沢山聴いて自分の音楽に対するアイデンティティを確立する事が肝要に成って来ます。最近は生演奏の良い物は私の様な田舎住まいだとなかなか聴く機会にも恵まれませんので、悩ましい物がありますね。
 余り厳密な事を云うと切りが有りませんので気楽にアナログディスクを楽しみたいと思っています。ところで使用しているアナログプレーヤのGT2000Lは、浜松での会社員時代に実験室の隣のベンチに座っていた先輩氏が設計してヒットした商品で大事に使っています。亦使用しているカートリッジも設計者が自ら選別してくれた物で大変気に入っています。


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