1、オーディオの趣味

5)オーディオ実験室
a)、フォノイコライザの実験
a-2)、NF型フォノイコライザの改良の実験(その1:DCサーボを掛ける。)
ⅰ、概説
 左図(FIG15)にSPICEで使用したRIAAイコライザの回路図を示します。此の定数でA(1kHz)=34.6dBになります。DC利得はイコライザカーブによって凡そ+19.2dB持ち上げられるのでA(DC)=53.8dBになります。
 一方アナログディスクの再生ではディスクの反りやプレーヤの回転むら、回転系の振動等で低い周波数にノイズ成分を多く含んでいます。この様なノイズがフォノイコライザで再生されますとRIAA再生カーブに添って増幅され非常に大きなレベルのノイズになります。低い周波数のノイズはスピーカで空気制動が掛からない為に混変調の原因となりますので余り好ましい物では有りません。出来るだけ取り除く必要が有ります。
 亦、同様にカートリッジとトーンアームの機械的共振のピークとなる周波数は、f≒7Hz前後に有るそうですのでこの影響を避けるた為に此の周波数より高い周波数からローカットする必要が有ります。
 (Fig15)のフォノイコライザの周波数特性を逆RIAAを通してシミュレーションするとRIAAの偏差が左図(FIG16)の様になり、f=1Hz以下までフラットになっています。この様な状態でレコード再生をすると、プレーヤ系で生じる超低域周波数でのノイズの影響をまともに受ける事になり低音での歪みの原因になったりします。普通フォノイコライザの出力部にはCRによるハイパスフィルタが挿入され、出力信号の低域成分は之によって減少され影響は低減されますが、フォノアンプ側から見ると入力信号の低域成分が低減された訳では無いので回路の動作点の変動や回路内での波形クリップによる歪みの発生やDCドリフトの原因になります。入力側でハイパスフィルタを入れて対策すべきでしょうが、フォノカートリッジの微少出力に直接フィルタが入るのは、キャパシタの誘電体回復作用等、音質に影響を与えそうなので抵抗が有ります。同等の効果が期待できる方式としてDCサーボ回路が有ります。ここでは前述のイコライザ回路にDCサーボを追加して其の効果を確認したいと思います。


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