1、オーディオの趣味

5)オーディオ実験室
a)、フォノイコライザの実験
a-1)、NF型フォノイコライザの実験
ⅲ、回路設計(シミュレーション)
 回路定数算出式が出来ましたので実際の回路を設計して誤差等を調べてみたいと思います。今、仮にR5=1kΩ、周波数1kHzでの利得を50倍として、C、Rの各定数を算出してみますと、R4=39.48kΩ、R3=465.1kΩ、C1=1899pF、C2=6835pFとなります。中途半端な定数値で実際に回路を作成するのは不向きな値ですが。先ず算出式がちゃんと使えるかどうかの検証をする為には充分なので、この儘作業を進める事にします。
 求めた定数を入れた回路図を描きますと左図の(FIG5)の様になります。
 OPアンプには手持ちの関係でナショナルセミコンダクターのLF356Hを使用してシミュレーションをする事にしました。シミュレーションだけであれば他のOPアンプでも構いません。
 シミュレーションの結果は、周波数1kHzでの利得A=34.2dB=51.3
となり、1kHzでの利得は0.2dB位の誤差が出ています。OPアンプを代えて再シミュレーションをすると±0.1dB位利得誤差の振れが出る様です。
 上で求めた実際の回路定数から別の方法で計算すると利得はちゃんと
50倍(34dB)になって問題は無さそうなのですが、0.2dB凡そ2%の誤差ですので少し大きいような気がします。誤差の原因に就いてJRCのOBであるM氏に問い合わせた処、その位なら上出来で、OPアンプのSPICEデータも結構怪しいのが有るので余り当てにならない事もあると云われましたので取り敢えず先へ話を進めたいと思います。後日じっくり検討してみたいと思っていますが、手計算での丸めの誤差か、SPICE内部の丸め等の詳細が分からないので原因は不明です。
 さて、肝心のイコライザの偏差はf=1kHzを基準としてf=100HzでΔ=+13.1dB、f=10kHzでΔ=-13.7dBとなり、こちらは良く合っている様です。一寸見辛いかも知れませんが、下図(FIG6)に計算結果のグラフを示します。グラフをクリックすれば大きな図を見る事が出来ます。

 処で、FIG5の回路定数の儘では抵抗、キャパシタ共合成するのが大変そうなので、もっと簡単に実現出来る定数の組合わせをを考えてみました。
 先ず、C1、C2の関係は比較的簡単なC1=3.60・C2となっていますので、例えばC2=0.01uFに選ぶとC1=0.036uFとなります。この値であればE-24系列の中にありますので各キャパシタ1個で出きそうです。同様に、C1=7500pF、C2=0.027uFの組み合わせも良さそうです。実験機を作るため手持ちのCで7500pFに決めました。T2=C2・R4の関係からC2=7500pFとすればR4=10kΩとなります。
 R3=11.78・R4からR3=117.8kΩとなりますがR3=120kΩとしても誤差は+1.8%になるので低域周波数で利得誤差は-0.16dBに収まりそうです。精度が欲しければR3=100kΩ+18kΩとすれば誤差は0.17%位まで改善されます。通常入手可能な部品の精度ではR3=120kΩで充分なの様に思いますが、。
 次に、R5を決める為に、f=1kHzの時の利得AをA=50倍(34dB)としますと、R5=253Ωとなりますが、近い定数の抵抗1本に置き換えてR5=240Ωとしました。A=52.7=34.4dB(f=1kHz)になります。
 一方、SPICEでの計算ではA=54.26=34.7dB(f=1kHz)となりました。又f=100Hzの時はA=47.7dB(ΔA=13.0dB)、f=10kHzではA=20.89dB(ΔA=-13.8dB)となりました。f=1kHzに対して
f=100HzではΔ=-0.1dB、同様にf=10kHzではΔ=-0.1dBと何れも増幅度が小さめになりました。今回もf=1kHzでは+0.3dB程SPICEの方が利得が高く出ている様です。誤差の原因は良く分かりませんが、この計算式で一応使える事が判りました。(FIG8)に新しい定数で描いた計算結果を表示しておきます。(グラフをクリックすれば大きな図が見る事が出来ます。)
 会社勤めしていた時には、SPICEは普段使い慣れていたツールで、実際よく使っていましたが、確認の為手計算と比較して居て誤差がこんなに気になった事は余り記憶に無いのですが、尤も会社に居た頃は大体に於いてこの様な作業は他人任せで結果だけ見ていたので余り深く考えていなかったのかも知れません。亦、会社で使っていたSPICEとは値段も二桁位違いますので精度も大分落ちるのかなと思ったりしていますが、尤も会社では精度を問題にする様なシミュレーションはやっていませんでした。ましてや田舎に帰ってきてからは余りSPICE等を使う事も無かったので都々逸の節ではでは有りませんが『想い出し出しせにゃならぬ~う』と云った具合で一つ一つ復習しながらやっています。今判っているのはf=1kHzの利得を大きくすると誤差も連れて大きくなる様です。
 取り敢えずSPICEを使って大まかな傾向を掴む事が出来ました。次は本来の目的である実験で確認をしていきます。


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