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 C)SBA88プッシュプルステレオアンプ.
《解説》
 本機はKT88(UL)プッシュプルステレオパワーアンプです。
 回路方式はリークムラード方式のドライブ回路を搭載しています。初段が12AT7パラレル固定バイアス回路、ドライブ段が6FQ7の差動回路、終段がKT88(UL)のプッシュプル回路になっています。メジャループ帰還、カソード帰還を掛ける事によって低歪み率を達成しています。亦、高域周波数の素直な減衰特性は微分帰還によって実現出来ました。
 第二世代の定電圧安定化電源を搭載しています。Ib=700mA出力時の出力リップル電圧は100uV以下になっています。+B=415VでKT88としては低めの供給電圧になっています。エレクトロハーモニックスのKT88はエージング不足の物が多い様で中には稼働後数時間でgmが急激に低下する物が多々有ります。亦グリッド電流も流れ易い球が有るようで、本機の球は悪い見本でしょう。周波数1kHzの歪み率で10W出力以上でカーブがうねっているのが是に当てはまります。正常な球ではこの様なうねりは観測されません。
 本機の歪み率データで低域周波数の歪みが悪化しているのはOPTの組み立て不良によるカットコアの接合部のギャップ精度が取れていないのが原因の様です。従って良い特性の物は100Hzの歪み率が1kHzの歪み率位に下がります。徳島の著名アンプビルダーのUさんの話だとメーカーでは管理できていないようだとの事でした。旧来のアンプの特性では歪み率が0.01%以下に下がらないので見落としていても仕方が無い価も知れません。
 
《実測データ》測定日:2010年9月30日
Residual Noise Level:
VnLch_Flat =.0849mV、VnRch_Flat =.0757mV
VnLch_IECA =.0363mV、VnRch_IECA =.0309mV
Amplitude Gain:
GainLch_dB =25.64dB(at 1kHz,VRmax)、GainLch_ln =19.14(at 1kHz,VRmax)
GainRch_dB =25.70dB(at 1kHz,VRmax)、GainRch_ln =19.28(at 1kHz,VRmax)
DF(Lch)=8.25 RL=8ohm/1kHz、DF(Rch)=8.84 RL=8ohm/1kHz
InputLevel(2.0%THD+N)= 1.0240625V
PoMax(2.0%THD+N)= 48.0464Watt/RL=8ohm
 予備
《参考文献》
〇ラジオ技術別冊1983年11月号EL34(UL)プッシュプルステレオアンプの試作:武末数馬(著)
〇カウンターポイントプリアンプ回路図、他

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