|
《解説》
初段がデュアルFETによる差動1段型のソリッドステートアンプです。ファイナル段は4パラまでトランジスタの数を増やすことが出来ます。2段目(ドライブ段)はグランドに対して回路が対称になる様に、且つ、レイルツーレイルドライブが出来る様に初段の信号をカレントミラーと電圧シフターでー電源側に振っています。ドリフト対策としてDCサーボが掛けられています。詳しくはパワーアンプブロックの回路図を参照下さい。
パワーブロックユニットには出力ミューティングを兼ねたDC出力保護回路が入っています。保護回路の電源にクリクソン等の温度スイッチを介挿すれば異常温度保護回路を構成することが出来る様設計されています。
亦、回路図を見ればお分かりの様にトランジスタ保護のためASOリミッタが装着されています。
同様にミューティングリレーの接点接触抵抗を少しでも低減するためにリレーの前後からNFBを掛けています。
これの御陰でDF値が8オーム負荷に対してDF=320(RL=8Ω、f=1kHz)取れました。
今回使用したトロイダル電源トランスは30数年前に貰ってきて倉庫の隅で眠っていた物ですが、DCサーボ回路、及びリレードライブ電源の電源電圧が通常使用すると不足するので倍電圧半波整流回路を4回路使って±両整流波として所望の電圧を得ています。
このためDCサーボのOPアンプの電源の立ち下がり時間とリレーの遮断時間のタイミングが合わずに電源off時に少しポップノイズが出たので電源回路の工夫で、何とかノイズが問題にならない様に凌ぎました。
何分にも手持ちの有り合わせの部品で作っていますのでそれなりに工夫が要ります。
特性的には、周波数特性が1Hz〜100kHzで+0dB、−1.0dB以内です。
歪み率は20Hz〜20kHzにて、Po=100W/8Ω出力時にTHD+N≦0.005%に収まっています。
オーバーオールのNFB量を少なく仕上げてあるので容量負荷試験でもインディシャル応答波形は頗る安定になっています。波形写真は上の7枚がRL=8Ω負荷時、下の7枚がRL=∞で、負荷容量の値は、1000pF〜2.2uFですが0.047uF以下ではRL=8Ω
及びRL=∞でも変化が観測出来なかったので省いてあります。
<動画再生> |