オーディオアナライザ
 
 Audio Precisionのオーディオアナライザ、SYS2522A(Dual Domain)と呼ばれる計測器です。今や世界のオーディオメーカの標準測定器になった感がありますが高性能で使い易く非常に良くできた計測器だと思います。
 残念ながら今ではディスコンに成っています。最近日本の代理店が東陽テクニカからコーンズエレクトロニクスに変更されました。
 かつてユーザー登録がされてた機器は新しい代理店でのサービスは受けられる様ですが、どうも一説に由りますと修理はアメリカに送ってAP本社での修理に成りそうな話も聞こえて来ています。
 ともあれアナログからデジタルオーディオまで殆どの測定が出来るのはこれ一台(R&SにもUPD、UPL、UPV等有りますがFFTを使った方式なので少し毛並みが違う様に思う)ですので今後とも此の業界では此が主流として使われて行く事でしょう。
 計測器(測定器に自動測定機能、解析機能を付加充実させた物)と云うだけ有って解析機能が充実しています。FFTで高調波分析も出来ます。また、デジタルオシロスコープ機能やMLS(Maximum Length Sequence)等の測定機能も有ります。 デジタル機器の歪み率等もデジタル領域で測定出来ます。またデジタルオーディオインターフェースの解析も出来ます。
 制御用のATXパソコンとペアで用いられ機能の切り替え等は全てパソコンから制御します。プログラムを書けば自動測定機能で数種類の測定をバッチ処理で一度に済ます事が出来ます。グラフの作図まで自動でやってくれます。(当方の作品中のデータはパソコンの表示画面をそのまま貼り付けた物です。)
 自己診断プログラムを使って機器本体の健康チェックも出来ます。アナログ専用機も有る様ですが殆どのユーザーがアナログ測定、デジタル測定の両機能付きの物を購入する様です。最近ではバージョンが上がってSYS2722AになりDSPクロックも80MHzの上げられでDSP解析機能の向上が図られている様です。
 唯、性能を出し切るには少々EMI対策の勘所が必要で、特に外部に接続されるモニタースコープ等の機器とのグランドループなどにノウハウが要ります。
 このSYS2522Aを使い出すと他の測定器を使う気に成らないですね。御陰で松下VP−7222AやHP339A等が測定機用ラックで棚の重しになっています。いろんな意味で性能が違いすぎます。
 回路の部品定数を変えた時等、変更前後でのデータの比較がグラフで取れるので重宝しています。測定作業ではグラフのプロットは大変根気のいる作業ですがSYS2522Aでは自動で出来ますので頗る助かっています。亦、自動でプロットしている間は測定波形のモニターをする事が出来るのでグラフ上では見付ける事が出来ない変化を観測する事が出来るので今まで分からなかった事を発見したりする事が有ります。
 この機器に対抗出来るのはローデシュバルツ(R&S)位でしょうが(会社勤め時代に職場にUPDが有った)、ローデシュバルツはFFTで全てを処理していますので歪み波形のモニターが出来ない等色々問題と思われる事が有りました。
 他にも日本やアメリカの機器は普通レベルの増大はツマミをCW(時計回り)にしますが、R&SはCCW(反時計回り)だったりと結構面食らいました。基本性能は高周波測定機器メーカのR&Sだけあって流石に良く出来ていましたが。
 まあ何れにせよ、APもR&Sもユーザーは法人限定だと云う話だそうで個人で購入するのは難しそうです。尤もおいそれと買える値段では有りません。ASYS2522Aでトーンバースト信号発生器オプション付きで480万円弱位しました。
 最近偶にオークションにも登場しますので当たれば儲け物かも知れません。
 取り扱いマニュアルはAPのホームページからダウンロード出来るみたいです。

 オーディオプレシジョンのシステム2DD(SYS2522A)でノイズ、アンプのゲイン、周波数特性、THD+N vs Po、
THD+N vs Freqency、クロストーク特性を一括で自動測定した動画を提示します。
 全測定時間が凡そ4分でステレオアンプの特性が一通り測定出来ます。
 《Mov01》
 
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